第33回(2月4日)クラスの復習

■右手のワンポイント:手首の固定とチャスキード
・今回は、いつも強調している手首の固定と、チャスキードを結びつけてお話しました。
・右手の振りついていつも繰り返し指摘することは、①肘ではなく、手首が支点であり、②それに前腕の回転も加わって、指・手のひらの可動範囲を広げるということです。
・チャスキードには2つの大事な要素があります。当たり前なのは、①「チャッ」という鋭いミュート音です。そして、ついないがしろにされるのは、②消音です。場合によって、①がそれほど必要でなく、②の方が大事な場面もあります。
・ホローポをチャスキードなしで、♪♪X♪♪X(Xは消音)と弾くだけで、すでにホローポらしく聞こえます。
・手首を固定すると、動きがコンパクトになります。全部の弦をチャスキードしようとすると少し大変ですし、できても時間差で、極端に言えば、ギロのような感じになります。そこで、私の場合、ダウンもアップもチャスキードは、1弦と2弦だけを狙っています。ほかの弦にも速度などにより、触れていると思いますが、狙いは2本だけです。チャスキード音もよりクリアになります。
・チャスキード時の消音ですが、まず、ダウンの話をします。下の図1のAところで消音します。手首を固定したコンパクトな動きなら、この部分が1弦より下に行くことは難しいです。つまり弦の上に残るので消音が確保されます。親指の先端は、次の音をしっかり弾くために、できるだけ下の方に行くとことが望まれながらも、Aの手首に近い辺りが4弦の上に残れば、全部の弦が消音されます。たいていは、この4弦をうまく消音できずに、せっかく「チャッ」と鳴りながら、何となくいい感じがしません。肘を支点にすると、Aは簡単に1弦より下に下がってしまいます。
     
図1ダウンのチャスキード          図2アップのチャスキード
(Aは手のひら側)            (A・Bは手のひら側、C・D・Eは手の甲側)
Chasquido
・アップのチャスキード時の消音ですが、普通は、C・D・Eを使います。私の場合は、Aで消音して、それが4弦より上に行った後、B・C・Dがすぐさま弦に触れ、消音を確実にしようとします。AとBだけでできるようにしようと試みていますが、C・Dを添えるのは悪くないと思います。この場合も、親指がアップで弾弦したあと、人差し指が次の音をしっかり弾くために、かなり上の方まで上がらなくはいけません。それにより、Aは4弦より上に行ってしまいます。そして、Bも弦をなめるように触りながら上に行き(でも弦上にはあります)、次に、中指・薬指・小指の間隔を少し開いて、CやDがしっかり、1・2弦を消音するようにします。親指と人差し指がしっかり上に行くので、消音を確実にするには、小指や薬指が下の方にとどまっていなければならないために少し開くのです。このアップストロークにしても、肘を支点にしていては、小指すら4弦を過ぎてしまうでしょう。
■主要なキーのスリーコードに慣れる練習
・クアトロでよく用いられるキー(D/Bm/G/Em/A)について、まずツーコード(IとⅤ7)をJoropo LlaneroのGabanというコード進行で練習し、次にIⅤも加えたスリーコードを、Golpe de Arpa(Joropo LlaneroではSeis Corridoと呼ぶ)のコード進行として練習しました。
・まず黒板にすべて書いて、5つのキーを順に弾いていきましたが、だんだんコードを消して行って、見なくても弾けるようにして進めました。5つのキーは、休符を挟んで、二循環ずつ続けて次から次へと弾きました。
・コード表は、前回の第32回報告を参照。
・E7の押さえ方について話しました。フレット的には、4弦から2223です。この型のコードは、ハイポジションを使ったクアトロソロでは、いろいろな押さえ方が要求されますが、ローポジションのE7では、人差し指を寝かせて、4弦と3弦を押さえ、中指で2弦、小指で1弦を押さえます。残った薬指で、フラット・ナインス(b9/3弦3フレット)やサスペンディッド・フォース(sus4/2弦3フレット)を加えて、変化をつけられるようにするためです。
APURE EN UN VIAJEの通し
・始まりや、決めの箇所、締め方について確認しながら通しました。
・これは、メドレー曲の前半として、Seis Numeraoにつなげる予定です。
■ガイタの弾き方の練習とLa Cabra Mochaの通し
・1小節にチャスキードが4つ現れるパターン(教材のA)の練習を、それぞれの音符を確実に弾けるように、1つずつ音符を増やしていくやり方で練習しました。
・ポイントは、チャスキードをきちんとやりながらも、その弾き終わった手・指の状態が、次の音符をしっかり弾ける準備の状態になっているかを、逐一確認しながら進めました。
・同じ6つの8分音符を弾くのだが、たしかにホローポとはノリが違うということを確認しました。とくに教材のEのパターンをやってみるとガイタらしさが分かります。非常にタンボーラ(ガイタ用の太鼓)の基本パターンとリンクしているからです。この感じを、ダウンとアップを交互に弾くAのパターンでも出せることが目標なのです。
・今回はチャスキードをできるかぎり入れながらということで、La Cabra Mochaの簡単なコードのバージョンを通しました。前回より、ずいぶんいい感じになってきました。
■セイスのリズム特訓 Seis Numerao
・セイスのリズムの4分の3拍子的な面、つまり、2拍目と3拍目を弾くベースのノリにあわせて、とくにチャスキードのないパターンを何度も弾きました。次にマラカスを入れて、1拍目の表と2拍目の裏にアクセントのくる8分の6拍子的なノリを意識しながら弾き、ついには、両方が交錯して存在していることを感じながらクアトロを弾くという練習をしました。
・実際には、太鼓(ベースの代用)とマラカスにミュートのクアトロを合わせるという、徹底したリズム本位の形ではじめました。
・コード進行としては、Seis Numeraoを用いて、最後は、バンドーラと合わせて通しました。


■知識コーナー:ベネズエラ国歌 GLORIA AL BRAVO PUEBLO (勇敢なる民に栄光あれ)
・今回は、なんとベネズエラの国歌がテーマです。第二の国歌と言われる「平原の魂 Alma Llanera」はクラスでも練習しましたが、今度は「第一の国歌」(?!)です。
・私自身は、ベネズエラ国営放送TVesで毎日流れるのを聞いて慣れていくうちにだんだんメロディーが好きになりました。そして、Ilan Chesterのちょっと崩して歌った、ピアノの弾き語りバージョンを聴いて、すっかりこの曲の虜になってしまいました。
・独立戦争における民の勇敢さを讃えた国歌としての歌詞を変えると、子守歌に早変わりすることも以前から聞いていたので、気になってもいました。
・もともとは国歌として作られたものではなく、1810年ごろすでに作られていた曲を数十年経ってのち採用したのです。作曲者・作詞者についても、いろいろな説があるそうです。
・歌詞と曲の詳しい解説は、ウィキペディアを、とくに英語・スペイン語で覗いてみて下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%87%E6%95%A2%E3%81%AA%E3%82%8B%E4%BA%BA%E6%B0%91%E3%81%AB%E6%A0%84%E5%85%89%E3%82%92 (左サイドの言語名から、英語ないしスペイン語に入ってください。)
・You Tubeからの紹介映像です。国歌なのにいろいろなバージョンがあるのが興味深く、またベネズエラ的であるような気がします。
・TVesでも流される、Gustavo Dudamel指揮による典型的なバージョン。



YouTube: Himno Nacional de Venezuela con Gustavo Dudamel

・Ilan Chesterのピアノ弾き語りバージョン(一押し!)



YouTube: RCTV Ilan Chester / Himno Nacional de Venezuela / Venezuela National Anthem

・この国では、オウムも国歌を歌います!お見事!



YouTube: CANTAN EL HIMNO NACIONAL VENEZUELA

・子守唄になると、「ママはオムツも洗って、ご飯も作らなきゃいけないんだから、寝てちょうだいよ・・・」



YouTube: CD Duermete Mi Niño, canciones de cuna para dormir y relajar al bebe