BANDOLA DE PUERTO ORDAZ


YouTube: bandola puerto ordaz

 

■プエルト・オルダスのバンドーラ?

この動画は、私がYouTubeでバンドーラを見始めたころから、ずっと気になっていたものです。プエルト・オルダスは、ベネズエラ南東部のボリバル州に属し、オリノコ川とカロニー川の合流地点に建設された新しい町で、鉱山業の重要な拠点です。

 

この曲には不思議な点が多いのです。曲名が分からないのはもちろんのこと、どのジャンルのホローポかさえ特定できません。この新しい町(1952年~)に、“プエルト・オルダス流バンドーラ”なる伝統的なスタイルが存在しているとも思えません。ボリバル州のホローポは、基本的にはホローポ・グアヤネスということになります。「ジャネーロとオリエンタルの合いの子」と言われるいまひとつ正体のつかみにくいホローポです。メロディーのはまり方が、グアヤネスとも言えなくもないが、ジャネーラに近い感じもします。用いられているバンドーラは、新しいタイプのジャネーラです。しかし、演奏法は、ジャネーラのような引っ掛けるセグンデーオを用いず、弾いた弦をそのままアップで再び弾いて隙間を埋めるタイプのセグンデーオです(どちらかというとグアヤネサ的)。コード循環はなんと、D ⇒ D ⇒ A7 ⇒ A7という単純さで、ジャネーラで言えば、マイナーのガバン gabán (gaván) を明るくしたような感じです。※ガバンなら、通常DmとA7の2小節ずつの循環。

これは、このバンドーラ奏者のオリジナルな曲・スタイルなのかもしれません。一度コメント欄から質問してみたいものです。

いずれにせよ、メロディーは単純なツーコードに乗っているとは思えないほど豊かで、小気味よく印象的です。テクニックも多彩で、バンドーラらしい技法がいい感じに散りばめられています。

 

■配布の楽譜について

配布した楽譜は、大半は動画のとおりですが、即興的で統一が取れていない部分を整理して、さらに全体で2分を超えるように、何箇所か循環数を増やしてアレンジしてあります。

記譜の仕方としては、セグンデーオを取り除いたメロディーそのものだけを記しています。つまり、譜例Aのように書かれています。実際、この奏者はそれを譜例Bのように、ピックのアップによるセグンデーオを用いて弾いています。このホローポがどのジャンルであれ、最終的には、ジャネーラのセグンデーオを用いて譜例Cのように弾くのが、ナイロン弦のバンドーラとしては賑やかでよいと思います。A、B、Cのどの弾き方も練習になるので、すべて取り組みましょう。自分で、BやCのような譜面を作成するのもいいですが、やはり、Aを見て、Bのようにも、Cのようにも自動的にセグンデーオが入れられるのに慣れて欲しいと思います。

B01

 

■そのほかの注意事項

・スタッカートについては、人により入れ方が違ってきます。しかし、セクションEやFでは、指示に従って下さい。

・必要なところだけ、アップ・ダウンの記号を付けました。

・セクションEのスラーの記号は、いわゆるスラーではなく、一つ目の音をすぐに離さず保つという意味です。

・セクションGでは、アップストロークで、ピックを1弦から4弦に向って滑らせ、4弦を弾いたら即座にダウンで再度弦を弾きます。

・セクションFの小節78と82では、ジャネーラで弾くとき、最初のセグンデーオが3弦のレ、後のセグンデーオが1弦のラとなります。セクションFからGの終わりまで、小指で1弦の5フレットを常に押さえたままです。