ベネズエラ音楽とは

《1》ベネズエラの伝統音楽

ヨーロッパ系からアフリカ系まで、さまざまな人種が入り混じるベネズエラの音楽は、それがゆえに実に多様であり、知られざる音楽大国と言われている。

さらに地方ごとの特色も豊かなため、伝統音楽においては、300を超える曲形式ないしリズム形式が存在するとされる。この多種多様な音楽形式を見る基準のひとつは、ユーロ性とアフロ性の割合である。

ベネズエラ風ワルツと呼ばれる優雅でメロディーの美しいバルスvals venezolanoから、これぞまさにアフリカといった趣きのタンボールtambor(太鼓歌)まで、無限なグラデーションをなしている。これに、カリブ性、ネイティブ(原住民)性も加わる。

この中でベネズエラを最も代表するリズムといえば、スペイン由来のホローポjoropoとなり、とくに南西部に広がる広大な平原地帯Los Llanosのカウボーイたちのホローポ・ジャネーロjoropo llaneroが、音楽的アイデンティティーとなっている。

そのほか代表的なものに、都市部のメレンゲ merengue venezolano、西部のガイタgaita、南東部のカリプソcalipsoなどが挙げられる。楽器としては、クアトロ、ハープ、マラカスが広く用いられ、アフロ性が増すにしたがって、太鼓・パーカッションの重要になる。

ベネズエラ国外でよく知られている曲としては、コーヒールンバMoliendo Café、平原の魂Alma Llaneraなどがある。

 

《2》ベネズエラの「エル・システマ」

クラシック音楽では、オーケストラにおける演奏学習を通じて児童教育を行う「エル・システマ」El Sistemaが、優れた社会教育プログラムとして各国の注目を浴びており、その最高の成果は、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラOrquesta Juvenil Simón Bolívar de Venezuelaとその指揮者グスターボ・ドゥダメルGustavo Dudamelである。

 

《3》ベネズエラの国際的スター

現代ベネズエラの若者たちに好んで踊られるサルサでは、オスカル・デ・レオンOscar d’León、ラテン・ポップ、ロックでは、カルロス・バウテCarlos Baute、ロス・アミーゴス・インビシーブレスLos Amigos Invisiblesなどが国際的に成功している。